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凪良ゆう著『滅びの前のシャングリラ』あらすじ&読書感想ー終わりが近づく世界で小さな幸せを見つける5人の物語。

滅びの前のシャングリラ

本屋大賞候補となっている凪良ゆうさんの『滅びの前のシャングリラ』を読みました。

凪良ゆうさんは昨年、『流浪の月』で本屋大賞を獲得されていますが、本書は前作をも超える素晴らしい作品でした!

読了のレビューを見ても、絶賛の声が多いですね。

そんな『滅びの前のシャングリラ』について、あらすじを含めた作品情報と読書感想をご紹介します。

 

 

『滅びの前のシャングリラ』作品紹介

あらすじ

「一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する」
突然宣言された「人類滅亡」。
学校でいじめを受ける友樹(ゆうき)、人を殺したヤクザの信士(しんじ)、
恋人から逃げ出した静香(しずか)、そして――
荒廃していく世界の中で、「人生をうまく生きられなかった」四人は、最期の時までをどう過ごすのか。(
滅びの前のシャングリラ|特設ページ|中央公論新社より)

 各話あらすじ

各話の詳しいあらすじです。

※結末までは触れませんが、少々物語の詳しい内容に触れます。ご注意ください。

シャングリラ

いじめを受けている高校生の江那友樹。学校一の美女である藤森さんに淡い恋心を抱いている。「1ヶ月後に人類滅亡」というニュースを聞いて、一人で東京へLocoのライブへ行くという藤森さん。藤森さんを守るため、包丁を隠し持ち、無法地帯とかした東京へ共に向かう、、、。

 

パーフェクトワールド

 しがない下っぱヤクザの信二は、若頭補佐である五島から対立する大物ヤクザを始末してくれと命じられる。任務後に人類滅亡のニュースが耳に届く。振り返ってみれば手に入れたものは何もない。思い出すのはただ一人、昔愛した女性だった、、、。

 

エルドラド

女手ひとつで一人息子を必死に育ててきた静香。人類滅亡のニュースが世界を駆け巡った数日後、息子は好きな女の子のために東京へ向かうという。包丁を持たせ送り出したものの、電話をかけてみるととんでもないトラブルに巻き込まれているらしい。静香は昔の恋人とともに息子の救出に向かう、、、。

 

いまわのきわ

人気歌手Locoの本名は路子。孤独感から自暴自棄になっていた路子を救ってくれたのは、家族と古くからの友人ハチだった。地元に戻った路子は、友人であるバンドメンバーたちと共に人類滅亡の日にライブ開催することを計画する。

 

スピンオフ作品:イスパハン

高校生の雪絵。誰にも言えない疎外感を感じていた。人類滅亡まで後1ヶ月。雪絵が選んだのは別の家族と過ごすこと。

  

『滅びの前のシャングリラ』公式PV

婦人公論新社から出されている公式のプロモーションビデオです。

作品のあらすじや雰囲気がわかります。 

 

『滅びの前のシャングリラ』感想

いわゆる「終末もの」というよくある設定の中で、これだけぐいぐいと物語に惹きつける凪良ゆうさんの文章力にただただ敬服です。

 

あと1ヶ月で人類滅亡という世界で、人々が倫理や秩序や善悪の区別を無くしていく様もとてもリアルでした。

そんな中、ささやかな幸せを手にした5人。

絶望の中にある希望、狂気の中のユーモア、分断の中の繋がり、ディストピアの中でのシャングリラ(理想郷)を感じました。

終末ものですが、読後感は決して悪くありません。

 

「幸せとは?」「善悪とは?」……そんなことを考えさせられる作品でもありました。

本屋大賞ノミネート、キノベス!2021 第1位も納得の本書。

ぜひ読んでみてください。

 

 

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